経営者インタビューInterview Post

森 昌広

ふるさと納税返礼品1位になってやる!を実現した男

Interview File 01

取材日 : 2018.04.18

タオル会社経営
森 昌広
  • コンフォート・アソシエイツ有限会社 代表取締役
  • 創業 / 2005年3月
  • タオル製品・オーガニックコットン製品・環境商品等の製造販売

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前書きPrologue

「そやろ、あかんやん、それおもんない」関西弁が圧力をかけて襲ってくる。関西弁バリバリのお洒落な人という印象の森社長。人懐っこい語り口で人とのつながりを大切に商売を行う姿勢と考え抜かれた商品展開との間には少なからぬギャップを感じるが、そのどちらも森社長らしいのである。大胆な見かけと繊細な心持ちが同居している、、、この融合が社長独自の魅力、商品の魅力を作り出しているのだろう。泉州タオルの品質にこだわる社長は恐ろしく繊細なタオルの作り手という顔を持つ。品質へのこだわり、見せ方へのこだわり、マーケットへの対応力など経営全般において繊細でいてセンスが良い。お客様の声をしっかりと受け止め商品リニューアルを気付かせないよう「こそっ」とやる、この戦略がまたなんとも森社長らしい。今までやってきたことへの自信、これからやっていくことへの確信、社長独特のマーケット視点はタオル業界だけではなく全ての業界に通じ、経営者としての心の在り方を見せてくれているようだ。「なんかな、どんな時でも俺はやれる!って思ってんねん」自分への絶対的な信頼なくして商売は成り立たない。インタビュアー:小山 百代

泉州タオルとの出会い

まず社長の自己紹介をお願いします

コンフォート・アソシエイツ(有)の代表取締役 森昌広です。大阪府泉佐野市でタオルを中心に繊維製品の製造販売を行っています。

今日は社長の経営者としての人となりや考えをお話しいただけたらと思っております

お手柔らかにお願いします。なんでも聞いてください、話します(笑)

今までの社長の仕事ヒストリーはとても面白いですね

なんか俺はやれるっていう自信はいつも根底にあってん(笑)、写真屋のフランチャイズ展開は5人の出資者で始めて10店舗までいったわ。でもな、やってみて分かったんやけど自分1人で10店舗くらいやらんと儲からへんかったな、5人出資やと50店舗や、それで初めて自分が動かんでも儲かる形になる。その出資についてフランチャイズ元と出資者の比率が49:51いう微妙な形で始まってたところ、1人出資者が抜けるってなった時に比率が変わった。その時に株式会社ってこういうことねんなってええ勉強になったわ。

その他に、その時の経験で今に生きている事ってありますか?

チェーン店やったから次に出したいっていう社長のために、店舗準備から手伝って社員教育からオープン段取りまで全部任されてた。若かったしうまく使われることでええ勉強させてもろたと思ってるわ。店舗運営に関わったからコンサルタント出来るようにもなったな。ただオープン前やと徹夜続きでほとんど休めん状態やったから、昼間の仕事できっちり休みが取れる仕事に就きたいなと思ってハローワークに行って泉州タオルの製造会社見つけてん。

その頃の、泉州タオル業界ってどんな感じでしたか?

俺が就職する時はまだ元気やってん。ただ、そこから中国に生産が流れ出して売上げの7~8割ある会社の主力商品得意先を上海に持っていかれてな「えらい時に入ってしもた」って思ったよ、でも俺は交渉して給料上げてもろて入社したっていう経緯もあって実績を残さなあかんかってん。

それは大変な時に、、、それで社長はどんな方法を取ったんですか?

相手先が、挨拶回りの用途で使う伊勢産地のタオルを自分たちで箱詰めしててそれが年間30万個あるって聞いて「うちで箱作って箱詰めにした状態で納品するから見積もりさせてくれ」ってお願いした。それで、箱屋や生産者と話して金額はじいてみたらかなり安く上がって、うちが採用。その後の展示会で伊勢産地の社長から非難轟々やったけどな(笑)。伊勢はタオルの品質だけで勝負してたから、こっちはパッケージ作って物流まで考えて同じ値段なら間違いなくこっちやろ。相手先は楽になるし人も減らせるしな。あと良かったんは、それまではタオルの出荷に対して営業マンがタイムラグを抱えててん、それがこっちに言うたらすぐに箱詰めした状態で出せる、結果、営業マンがあそこ言うたらすぐ来るぞってなって最終70万個までいったわ。

営業マンは絶対にその会社を使いたくなりますね

営業の心を掴んだんは大きかったな、営業は売上げが欲しいから使い易ければどんどん発注かける。タイムラグ無くて物流手間も省けてすぐ対応できる、それは営業マンの胆やった。そしたら「森さん、これも出来る?」って関連商品まで来るようになってな。中国では年間数量がないと関係は維持できんからそのルートをつぶすことが出来たんや。結局3年後には箱詰め含め中国に持っていかれたけどな(笑)。ほかにも企画から入ったり新しい染色作り出したりデザイナーと組んだりしていろいろやってたわ。

タオル製品

タオルで独立

この会社で7年、満を持してご自分で会社を興されるわけですね。創業の決め手は何だったんですか?

会社として商品の作りこみに不安があったのと自分の中で少しづつ不満もあった。そんな時に占い師に見てもろたら「成功しますよ」って言われたから辞めた(笑)。2月辞めた瞬間に提案書を書いて国民金融公庫へ行ってお金借りて会社の設立手続き進めて3/17には会社設立した。

すごい早業!創業の決め手が占い師の言葉だったとは(笑)最初からタオル事業で立ち上げると決めてらっしゃたのですか?

自分が一番分かり易かったんとタオルって絶対使うもんやしと思てた。自分でやるって言った時にみんな奇特な奴やなって言うたわ。だって輸入浸透率が85%近かかって国産タオルシェアは15%ほど。その中で泉州と今治が7~8%を取り合ってる状況やった。起業する時に自分が一番思ったんは、食べるもんでもなんでも安心して使えるもんがええな、そんなタオルが欲しいなと思ってん。服と一緒でヨーロッパブランドとかあんだけ高くてもみんな買うし、ブランディングさえしっかりすればなんとかなるんやないかと思った。ま、やってみたらそんな甘いもん違うかったけどな(笑)

起業当初はやっぱり大変でしたか?

やったらいけるやろと思ってたけどそんな甘くなかったな。タオル業界は3月春夏と9月秋冬の展示会が年2回。どの時期に始めてても大変やったろうけど、何も考えんと3月っていう酷い時にスタートしたわけよ。最初はこいつ大丈夫なんか?って周りから様子見されてるのも分かったしな。時間だけはあったから、まずこの日に東京行くって決めてメールでアポ取りして返信来んかったところにも「返信ないので来ました」って言うて挨拶回りに出かけた。もちろん軽くあしらわれるけど行動あるのみや!正攻法で行っても無理やからな、待ってても何にもないし。その時手触りの良いタオルを出したいと思ってオーガニック商品で攻めてた。そこでちょうど今までオーガニック生産で使ってたところがダメになったって話があって、その時に俺が飛び込んだ。オーガニックについては、それまでにいろいろ情報収集したり染色工場の社長と実験したりしてて「一度見積もりさせてください」って言うて、もろたんが8月。それまでの半年間は本当に大変やった。その後は、中国並に無理かけてくる相手先に文句言いやから干されたり、リーマンショックがあったり、百貨店が軒並みダメやったりといろいろあったわ。

一般の人はタオルと言えば「今治」っていう印象があるかと思う。泉州タオルと今治タオル関連のお話ってありますか?

今治が有名になったのは5.6年前から、佐藤可士和さんが地域ブランディングに参加してからブランド化が顕著になった。うちもそれまでは今治でも作っててんけど、なかなか忙しくて卸してくれんようになった。もともと泉州の方が比重が高かったし、忙しい時にすぐに今治へは行けん。その頃に生産地を泉州に一本化したりしてしっかりとしたバックグラウンドを作り上げていった。

その後、ずっとオファーを受けていたふるさと納税に参入されるんですね

泉佐野の市長からその話が来た時「何万枚と収めてる商売なんやから1枚づつの納品なんて面倒でやってられへん」って言うた。でもなんとかお願いって言われて出してみたら、すぐに200枚売れてん。オーガニックコットンのタオルケットとピローケースやった。それまでの半年分が1~2ヶ月で売れてん。「これはやばい!商品作らなあかん」ってなってすぐまた新しいもの出して。毎週ボーンボーンって売れていくねん。そしたら事務局が「社長凄いっすね、日用品雑貨でベスト10くらいに入ってきてますよ」って教えてくれてん。そんなん全然知らんで見方も知らんかった。見てみたら9枚写真が並んでて10~30位は商品羅列で説明文だけやった。これは「写真載らんと勝ち目ないわ」と思って、ちょっと頑張ってPRして9位になって写真が載ったんや。そこからトントンと3位になった時に「どうしたら1位になれるか」情報集めてみんなにFacebookとかでお気に入りボタン押してもろて1位になった。1位になったら強いわ!タオルだけじゃなくて日用品雑貨全ての1位やからサイト全体のTOPに上がってくるからもう落ちん。それで6月から年末まで1位で突っ走った。

タオル製品

ふるさと納税返礼品で1位を獲得

ふるさと納税について社長のお考えを聞かせてください。政府の考え方次第で動きが変わるんじゃないか?と心配している業者さんもいらっしゃるんじゃないかと思います

ふるさと納税に関しては、住民税の2割を動かして良いという形で日本全国で最大に動いて2兆円って言われてる。H29年総額は3,953億円。今後マックスで動いても1兆円やろうと思う。返礼品の額とか問題になったりしてるけど、多い返礼に関してはその地方なりの考えがあるって思てんねん。例えば地場産品を動かすことで地元の産業にお金を落とすことが出来る、企業が育ち雇用が生まれ法人税もまた帰ってくるという流れを作り出すことが想定できる。他に自立化支援補助金とかもあるけど、そんなんに比べてもふるさと納税の方が地場産業が自立化できる道は大きいと俺は思う。都心部で「お金を取られたら困る」みたいな話があるけど、地方で子供を育成して大人になって納税出来るようになったら都心に取られていく。税の再分配は今後も考えなならん問題やと思うわ。

泉佐野市はふるさと納税寄付額において全国1位になっていますね

泉佐野の職員は頑張ってると思うよ、市長はイケイケでふるさと納税を押してるし。泉佐野市は関空のインフラ整備が重くのしかかって夕張に次いで財政難やってん。それがこのふるさと納税のおかげでタオル業界も雇用促進につながってるし、少しづつ良くなってきてる実感があるよ。今後、関空を起点にオリンピックの強化選手を誘致出来るほどのスケートリンクを作ったり、他合宿誘致も積極的にやってくやろと思うわ。何年後かをしっかり打ち出す政治家が居てくれるといいよな。収入が少ないからサービスを減らすと考えるのは簡単やけど、サービスを維持するために収入を増やすって考え方を持ってる政治家は少ないと思うから。

では今後のコンフォートアソシエイツの事業展開についてどうしたい、どうなっていきたいと考えていますか?

今の事業の中でも対応せなあかんことがあって、今まだ予約になってるタオル納品が1年待ちやねん(笑)。この予約販売の生産を間に合わせんとあかん。今はナチュラルカラーだけやねんけど、いずれカラー展開もしたいと思ってる。お客様から伝えてもらって少しづつリニューアルかけててな、バスタオルの大きさとか少しふっくらさせたりとか「こそっと」バージョンアップもしていってる(笑)。今から本物を求める人が増えてくると思ってるから、品質にこだわった商品をしっかりブランディングして出していきたいと思ってる。

最近個別包装用に作ったパッケージBOXもとてもオシャレで素敵ですね

チョコレートのパッケージとかヒントにしてん。うちの商品はええからこそ次の手を考えなあかんと思ってて、タオルなんて使ってみな分からんやん?だから見栄えは大切やなって思ってん。ギフト文化が根強い日本ではギフトになるように見栄えも考えて、うちのポジショニングをしっかり作り上げていきたい。

最後に、これを読む経営者の方々にメッセージをいただけますか

俺がこのタオル業界に入った時に、社長から「タオル業界ってこんなに儲かるねんぞ!っていうことをなんとか見したってくれ」って言われた。後に続く人材を作っていこうと思ったら、どんだけ儲かってても裏で崩れた格好して「ここなんか儲かってないわ、嫌やな」って思わせる職業にしたらあかんって思うねん。どの業種もそうやと思う、まずはみんなに憧れてもらうようにしていかんと次が育って来ん。この産業にたずさわったらそうなれるチャンスがあるってことを見せていかなあかんって思ってんねん。

ありがとうございました

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