経営者インタビューInterview Post

小谷 由美子

借金5憶円も私の一部!人を惹きつけ魅了する名プロデューサー

Interview File 02

取材日 : 2018.06.11

婚礼屋
小谷 由美子
  • 株式会社カーロカーラ 代表取締役
  • 創業 / 1994年10月
  • ブライダルプロデュース・ドレスショップ・フォトスタジオ・各種イベントディレクション・商品企画・デザイン企画(DTP・WEB)・コンサルティング

独自の強み気づいてますか?...活かしたいならシェアーズ「ビジネス相談」

前書きPrologue

真剣な話、私は小谷社長に救われました。10年前会社が危なくなった時に私が最初に相談した人、その時から社長は私のメンターです。こんな時代になるよ、こんな考え方があるよ、今も私の前を走り続けワクワクする世界を見続けさせてくれています。借金5億円は嘘ではない。背負えるということはそれだけ貸してくれるところがあったということ。社長の人柄を信じ、才能を信じ、可能性に対して支払われたお金。その見返りとして自身が引き受けた様々な経験や覚悟は私には想像もつかない。その経験と知識から飛び出すビジネス論はどの分野でも対応可能で実践可能、私は社長の話を全ての経営者に聞いてもらいたいと心から願う。日本中を神出鬼没に駆け回るバイタリティと人を惹きつけ動かすプランニング力、そしてそれを楽しみながらまとめ上げるプロデュース力は、身長2mくらいあるかと思わせるほどでっかく映る(実際は157cm)。小谷社長は言う「メンターとは自らの経験を嘘なしで話すことが出来る人のことよ」。掘り下げれば掘り下げるほど魅力的で威力的な女性社長なのである。
 インタビュアー:小山 百代

日本中を巡って感じた経営観

小谷社長の行動力にはいつも驚かされています(笑)まずは今の社長の動きを教えて下さい

誰よりも愛ある結婚準備をサポートするために設立した「カーロカーラ」を起点に、ウエディングコーディネーター育成やウエディングマッチングシステムのWEBサイト&マガジンの発行、日本の婚礼文化・風習の継承と教育という観点から協会設立など婚礼屋サポートを繰り広げています。婚礼のプロを育成するために「小谷メソッド」を婚礼文化講師として伝えるべく、全国各地を駆け回っているといった感じです。

社長は婚礼屋のプロというだけではなく経営のプロという側面もあります。今日は、経営者として多くの経験をしてこられたお話を聞かせていただけたらと思います。小回りの利く小さな会社を経営するための動き方、考え方ってありますか?

小さな会社の経営者ってなんでも自分で出来ちゃう。社員全員がクーデターで辞めちゃった!なんてとんでもない事が起こっても自分がその位置に戻れば業務業態が崩れないぞという確信の元動いてる。自分が居なくても社員に任せられるビジネスモデルがあってこそ、安心して外に出てチャレンジも出来るんだと思う。

自分の立場を保険のように考えてるってことですね

もし自分が自分がってすべての仕事をしていたら、新しいものを見つけたい、出会いたいっていう機会はなかなか持てないよね。でもここが大切で自分の意識・考え方次第だと思う。常に次のチャンスを求めてるか求めていないかで、自分のスキルアップのためにお金を使うことに躊躇するかしないかが生まれてくる。スタッフ5~10人の会社経営者って、会社の次の展開を見つける時間を生むために業務をスタッフと効率良く行うことだと思う。事業規模は仕事量と内容の増減でスタッフ数を変化させる。自分が足りない部分にいつでも入れるということが保険であり、いつも一歩先で判断するために自身の自由時間を確保する動きが会社にとっての保険ですね。

経営のために意識を変えた方がうまくいくってことはありますか?

今の時代は業種間だけの仕事をしていてはダメだと思う。私はブライダル業界でお仕事をしているけれど、この業界からしかモノを見ていない方々との交流だけでは、業績が悪いだけで業界体質が悪いからと思いこみ、未来が暗雲にしか見えなくなってしまう。そう思ってるのはそこで働いている人たちだけで、仕組みに無理があるとか限界があるとか、お客様目線でみたら全く関係の無いこと。それこそお客様目線でモノを考えていないし、新しい何かを期待することも無理なことだとなってくる。実際に結婚式といっても時代により流行りすたりはあるし、親の世代と子の世代との考え方というか在り方自体が違っている。それでも変わらない基本というモノは絶対にあるから、専門職としての新しいビジネスモデルを生むことが出来るし、お客様にご理解いただける。私は考え方の本質、ビジネスの基本を知っている人が経営者として未来を作れると信じているの。IT事業やweb事業、アパレル事業や貿易事業まで経験したからこそ見える業界を越えたビジネスプランの作り方が、今自分が動いている「専門家を作り上げ長期間働ける婚礼ビジネス」にも繋がっている。

ブライダルもイベントの一つとして考えると、企画力とかオペレーションの組立てとか想像力なくして出来ないですよね

クラッシュ&ビルドの考え方が出来るかどうか。例えば、人が入っていない商業ビルがあって「このビルどうしたら良いと思う?」ってなった時に「1階と2階を入れ替えましょうか」では無くて、「1階から3階まで全部出して全く違うものを入れましょう」って考えられるかってことかな。それが業種業態にしがみついているとなかなか出来ないのよね。

今、経営者が聞きたい事って何だと思いますか

経営者が何を求めているかって聞いたら、ここに30人居たら30人とも違うもの。私が何を伝えたいかという視点で考えると聞き手とのズレがおきる。何を聞きたいのか先にリサーチをすることからはじめますね。このチームには何が欠けているか、うまくいかないのは何故なのか、伝わっていないなら別の角度から伝えてみようかという感じ。私はこう伝えて欲しいんだろうとかを感じ取れるタイプなんだと思う。これは多くのカップルサポートから身につけたカウンセリング力でしょうね。だから言葉を変えてその人に会った方法で伝えていく。

日本商工会議所青年部副会長など歴任されてきた経験から思うことでもありますか?

日本YEGの副会長をやらせてもらって、それぞれが違って良いんだってことに気付いたの。副会長である限り「会長の想い」ありきで動くのは当たり前で、それがゆるくなると組織が崩壊する。ただ私はいろんな所に行っていろんな人に会って、地域性があって当たり前で違わないと面白くないとも思った。みんな一緒だと時代を変える人も出てこないし、みんなで一緒なことやりましょうよって言ってる団体なわけでもない、ただベクトルはあって地域のために経営者として何が出来るか常に考えて欲しいと思っていた。個人としては地域性という部分においては、そこ統一しなくても良いんじゃない?好きにやりなよ!って常にそう感じていました。

カーロカーラ

「伝える」が人生ミッション

経営者はスタッフ社員との関係性に悩みを持っているのではないかと思います。カーロカーラにも多くのスタッフがいますが、社長として意識して伝えていることってありますか?

常識値ってあるじゃない?30歳なら40歳ならこう考えるだろうって、でもそれはそれぞれの自己成長次第だから通用しない。入社した時に必ず伝える事はあるけれど、人によって言葉を変えたりしないと伝わらない。そしてそれを繰り返さないとスタッフには理解してもらえないし、理解出来ないと成長のしようもない。子供に丁寧語使わないでしょ?(笑)おじいちゃんおばあちゃんには方言丸出しの方が伝わる。会社で言うと、上の人は気付いたらちゃんと言わないといけない。イライラしたら何かが違うって気付いちゃってるんだから、気付いた人がそのタイミングで伝えないと変わらない。「なんで出来ないの?」と思ったら、その人は出来ていないと思っていないのだから「それってね、、、」とちゃんと伝えることが大事かな、じゃないと間違っていることを知らないままになってしまう。会社を回すためには、経営者がどんどん発想を変えていかないと!とも思う。スタッフが変わるよりも自分が変わった方が早いじゃない?少人数の時はどうとでもなったけど大きくなってきたらそんなわけにはいかない、となると気付いて言う人を増やすとか視点の切り替えも出てくる。話して伝わることっていうのはサービス業の原点だと思う。私は小さい時からおしゃべりな子だったの。おしゃべりな子や声の大きな子って「なんでなんで?」って聞きたがるし「なんでなんで」を知ったら人に伝えたくなるじゃない?だから指導者向きなんだって過去の上司に言われたことがある。

「伝える」という要素以外にスタッフたちを見て感じることは?

スタッフだけじゃなくて他の若手経営者に対してもなんだけど、自分で学ぶっていう姿勢は大切だと思う。会社でもセミナーを受講させたりするんだけどフィードバック出来る人と出来ない人がいる。私は何でも伝えたいし教えたいと思うけれど聞く側の問題もある。私はたくさんのことを先輩たちから教わったけれども、それを自分で勉強して確かめて裏付けがあって初めてしっかりと伝えることが出来た。自分で気付けないならば、もしかしたらその学び方も教えてあげれたら良いのかもしれないね。誰かに聞いて教えていただけるということは、その人は時間とお金をかけてその勉強をしているということ。自分の知らないことが山ほどあるって気付いた時に、謙虚に人の話を聞き自分で学ぶっていう姿勢が出来るのかもしれない。勉強好きとビジネス経営者はここからまた視点も違って、経営者はこれをどう活かすか?まで昇華させないといけない。

カーロカーラ

経営者:小谷由美子として

女性経営者としての考え方、面白さとかありますか?

ま、私は女性って見られてないような気もする(笑)。女性の中には悩んでて心地よいと感じる人が居る、悲劇のヒロイン的な?経営者の中でも「女性だからってバカにされて契約が取れなかった」なんて言う人も居たりする。私は逆に女性だからこそ恥も外聞もなく(笑)この仕事頂戴!って言ったことはある。男の人はなかなか言えないことを女はポロっと言えちゃう強みってあるから、この仕事どうしても欲しいから私が言ってくるとか。私たちの上の世代の女性経営者は「女が何をやってるんだ」っていう時代だったから自分を律して男並みにやってきた。それしか方法が無かった時代。ただ、しなやかに動こうが強弁に動こうが経営者としての心根は一緒だと思う。今は女性が社会進出して大きな舞台に立つことも増えてきた、それにより自分の未だ見ぬ世界が広がってくると自分で新たな方法論とか考え始める。「観ていた視点が低すぎた!」って思うと次なる目標が目の前に出てきて学ぼうとする姿勢に変わっていく。私はいつでも知らないことを聞けるということを大切にしたいと思っています。やった事が無いから出来るかどうか不安だとか怖いとか言ってられない、すぐに聞くし勉強する。経験ない事は知らないで当然、分からないものは分からない。知ったかぶりほどバカに見える事はないし損することはない。男勝りに仕事をしていたって「わからないから教えて」と素直に聞けたら、女性経営者も結構可愛いところもあるじゃないかと教えていただける。そういう意味では女性らしさを上手に使っていったら良いと思う。

今、起業する人や新規事業を起こす人がたくさん出てきています。その人たちへのメッセージや社長が見ていて思うことなどありますか?

その人たちの問題ではないけれど、創業者支援ってあるじゃない?私は会社って苦労なしに助けてもらってやりましたでは覚悟が決まらないと思うの。ハードルを下げればチャレンジし易いというのは一つの考え方であって、自分はそれを受けずにやったから今があるという思いはある。最初の3年間って一番大切で、どれだけ学べてどれだけ経営していく覚悟が出来るかってことでその後が決まってしまう。だからそこをぬるくしちゃうと続くものも続かなくなる、そう考えると助成金の使い方は経営者自身がしっかり考えないとダメかな。

今回お話を伺っていると、社長の婚礼業界での動きや小谷メソッドにも一貫して「伝える」という想いがありますね

私の人生ミッションは「誰かに何かを伝える間の人になる」ということなの。私がやってることって「伝える」ということだけ。だから自分がやってることがそこにつながらないことはやらない。私が本物を感じてそれを勉強して誰かに伝えるというのは、簡単に言うと話が膨らむということ。私が知っていることをまた誰かにつなぐ、「本質」には伝えるだけの価値がある。だからこそ私自身もしっかりと勉強をして伝え、「これがためになった、こういう考え方があることを知った」とそれを持ち帰ってもらう。婚礼は先人達が育てつないできてくれている大切な文化。上辺だけの華やかさに惑わされず、結婚する二人にとって意味のある思いを重ねて迎えてほしい。だから伝える人を増やすためにプランナーたちに伝えていく。変えてはならないもの、伝えるべきものを残すことも日本を作ってきたベースだと思うから。

カーロカーラ

50代になられた社長は、今後どういう経営を目指していきますか?

私は30代の頃50代の人を見て「あんたら老害やしもうそろそろ引退して」って思ってた(笑)。社会から見たらこの企業が残るべきか要らないか考える時、個人から見たら自分がやらなきゃならないミッションがあとどれくらいあるのか、やり遂げられるのかを考えなきゃならない年代だと思う。私としてはこれから更なる変化に向かう時かなと思ってる。50歳からあと20年と思ったらもう一つビジネスを起ち上げられる、じゃあやれることは何だろうって。それは会社の中で、かもしれないし社会でかもしれない。私は会社はあくまで箱だと思ってて、この箱に所属する人たちがこの箱の中で何を成し遂げていくのか?と考えているだけ。スタッフにカメラマンが居たら撮影の仕事を、WEB技術者が居たらHPの仕事を、シナジーを考えて会社バリューを上げるために採用するということもある。ここに所属する人たちが対価を得る仕事を持ち込んできているだけ。そうやって私は会社を運営してきた。完璧にソフト業ですね。関わる人で何かが作れる、何かが出来る。つながりを見続け、世の中は常に変わり続けていることを感じるのもまた人だから。人が好きなんですねー(笑)

変わり続ける世の中に対して自分がどう生きていくかということですね

経営は世の中の波乗りのようなもの。だからこそどの波に乗ったら良いのか、どんな波が来るのか、外に出て人と話して掴まないといけない。気付いたら「わっ!」って転覆しないようね(笑)。事業をやっていたら必ず良い波、荒波が来る、その時に乗組員を助けて船だけ沈めるか、誰と沈んでいくかも大きな問題だよね。今は小さくて速いクルーザーに乗って居たいという動き方を常に目指しています。

年齢はそういった波乗りの経験を培うということ

経験は過去の栄光ではなくて未来へつなぐ資産だから。なんか今私カッコいい事言ったよね(笑)

ありがとうございました(笑)

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